6月12日の週報と説教要約

私たちはどうしたら良いでしょうか

What Shall We Do? 【使2:37-41】 2022. 06.12 (三位一体主日、花の日、子どもの日)

序論

 今日は三位一体主日です。聖書に於いて時代を区別する時に、御父時代、御子時代、聖霊時代と区別したりもします。旧約時代を御父時代、イエス様がこの世におられた時代を御子時代、イエス様が昇天されて、聖霊を遣わされた時から再臨されるまでを、聖霊時代と言います。

 本文の38-39節の御言葉は解釈上、問題がある所と言えます。それは水のバプテスマと新生を、結び付けて考える人々がいるからです。一見「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。」(38)と言う御言葉は、バプテスマと新生を結び付けているように読めます。しかし聖書原文を見ると、この解釈とは違う解釈が可能なのです。

 三位一体主日を迎えて、この御言葉の解釈を具体的に考えて見たいと思います。水のバプテスマを受けると聖霊を賜物として受けるのでしょうか。水のバプテスマは、聖霊のバプテスマを受ける必須条件なのでしょうか。聖書が教えている御言葉を読んで見ましょう。

1.使徒の働きの三大質問(37)

(1)ユダヤ人たちの質問(使2:37)

2:37 人々はこれを聞いて心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、「兄弟たち。私たちはどうしたらよいでしょうか」と言った。

 ユダヤ人たちが、自分たちのメシヤを十字架に付けて殺した罪に対して、聖霊によって心を刺されたが故の質問です。即ち、五旬節の日に集まったユダヤ人たちが、ペテロと使徒たちに対してした質問です。

(2)サウロの質問(使9:5-6)

9:5 彼が、「主よ。あなたはどなたですか」と言うと、お答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。

9:6 立ち上がって、町に入りなさい。そうすれば、あなたのしなければならないことが告げられるはずです。」

 罪人だったサウロが回心して主に質問した内容です。私たちが使っている新改訳聖書と、英語の聖書の内容が少し違っています。英語(KJV:King James Version)の聖書の9:6節には次のように記されています。And he trembling and astonished said, Lord, what wilt thou have me to do?

(3)ピリピの看守の質問(使16:30-31)

16:30 そして、ふたりを外に連れ出して「先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか」と言った。

16:31 ふたりは、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と言った。

 まだ救われていない異邦人が、使徒パウロとシラスにした質問です。この質問に対するパウロの答え(31)に、三位一体の神様が言及されています。

「主イエスを信じなさい」と言う御言葉はキング・ジェイムズ訳(KJV)では“Believe on the Lord Jesus Christ” 「主イエス・キリストを信じなさい」となっています。ここで主と記されているのはヤハウェなる神様、イエスは人となられた神の御子、キリストは聖霊の油を注がれた者を意味しています。

2.水のバプテスマ、聖霊のバプテスマ(38)

2:38 そこでペテロは彼らに答えた。「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。

(1)水のバプテスマと救い

 ヨハネは悔い改めさせようと水のバプテスマを授けました。従って悔い改めと水のバプテスマは結ばれていると考えられます。救いの条件は信仰と悔い改めと言います。しかし水のバプテスマが救いの条件ではないのです。

 イエス様は十字架上で悔い改めた強盗に、「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」と約束されました。この強盗にはバプテスマを受ける時間がありませんでした。しかし悔い改めてイエス様を信じたので、救いの恵みを受ける事が出来たのです。

(2)水のバプテスマと聖霊のバプテスマ

 ある人は水のバプテスマを受けた時に、聖霊のバプテスマを受けました。ある人は水のバプテスマを受けた後に、聖霊のバプテスマを受けました(使徒たち、エペソの聖徒たち)。ある人は聖霊のバプテスマを受けた後に、水のバプテスマを受けました(コルネリオの家族)。水のバプテスマは水に浸される事、聖霊のバプテスマは聖霊に浸される事です。聖霊のバプテスマはイエス様が授けて下さるのです。

(3)解釈上の問題解決

 38節のペテロの説教の解釈は、どのようにすべきなのでしょうか。英語の聖書本文を見ましょう(KJV:King James Version)。

2:38 Then Peter said unto them, Repent, and be baptized every one of you in the name of Jesus Christ for the remission of sins, and ye shall receive the gift of the Holy Ghost.

 問題となる“for the remission of sins”を解釈すると、「罪( 複数)の赦しのために」と解釈する事が出来ます。つまり水のバプテスマを受けるなら、聖霊を贈り物として受けると解釈した改訳聖書や、開役改訂版聖書の解釈とは全く違うのです。水のバプテスマを受けるなら、罪の赦しが受けられると言う訳ではありません。悔い改めて主イエス・キリストを心にお迎えする時に、キリストの血の功労に因って、罪の赦しを受ける事が出来るのです。

3.聖霊の御業の結果(39-41)

2:39 なぜなら、この約束は、あなたがたと、その子どもたち、ならびにすべての遠くにいる人々、すなわち、私たちの神である主がお召しになる人々に与えられているからです。」

2:40 ペテロは、このほかにも多くのことばをもって、あかしをし、「この曲がった時代から救われなさい」と言って彼らに勧めた。

2:41 そこで、彼のことばを受け入れた者は、バプテスマを受けた。その日、三千人ほどが弟子に加えられた。

(1)約束の有効性(39)

2:39 なぜなら、この約束は、あなたがたと、その子どもたち、ならびにすべての遠くにいる人々、すなわち、私たちの神である主がお召しになる人々に与えられているからです。」

 この約束はユダヤ人でも異邦人でも、聖霊降臨の時からイエス様が再臨される時まで有効です。

(2)救いの恵み(40)

2:40 ペテロは、このほかにも多くのことばをもって、あかしをし、「この曲がった時代から救われなさい」と言って彼らに勧めた。

 ペテロは曲がった時代、即ち、邪悪な時代から救われなさいと勧めています。ペテロはユダヤ人たちに説教していると思われます。神様はご自分が選んだ民に、救いの恵みを許されたのです。

(3)結果

2:41 そこで、彼のことばを受け入れた者は、バプテスマを受けた。その日、三千人ほどが弟子に加えられた。

 旧約の五旬節の日に、罪を犯したイスラエル人3、000人が殺された不祥事がありました。新約の五旬節の日に3、000人の霊魂が救われたのは、正に神様の驚くべき恵みの事件です。旧約時代には五旬節の日がさばきで出発し、新約時代には五旬節の日が恵みの救いで出発しました。この日にエルサレム教会は3、120人の教会となりました。そして共同体教会となったのです。

結論

 三位一体主日は聖霊降臨節の直ぐ次の週です。御父なる神様の時代、御子なるイエス様の時代、聖霊なる神様の時代、即ち、三位一体の神様が私たちの所に来られたのです。しかし聖霊時代には、聖霊様が主導的に働いておられます。

 今日の御言葉にある通り、聖霊のお働きによって、イエス・キリストを信じる御業が起きました。また悔い改め運動が起きました。彼らが罪の赦しを受けて救われた事によって、バプテスマを受けることが出来たので、聖霊が贈り物として与えられました。その結果として初代教会の共同体が形成されたのでした。

(1)使徒の働きの三大質問とは何ですか。

(2)水のバプテスマと聖霊のバプテスマはどのように違いますか。

(3)聖霊のバプテスマは誰が与えるのですか。

TCC - HOPE

日本一のコリアンタウン 「新大久保」にある プロテスタント教会 東京中央教会 東京希望宣教教会